適応障害の治療って何するの?

母校の部活内の企画で後輩に向けて話した後に地味に気になっている人がいるのではと思って執筆することにしました。
ざっくり以下の順に説明しようと思います。

そもそも適応障害って?

ストレスが原因でうつ状態になる病気です。
以下から適応障害の諸症状と治療法、療養生活についての僕の実体験を述べていきます。

うつ状態の諸症状

以下に挙げる症状達が大体同時にやってきます。症状がきつくなってくると音楽を聴いたりアニメを観たりしても抑うつ気分のままで気晴らしができなくなってくるのでめちゃくちゃしんどいです。
そうなってくると、たとえ未来にどれだけ楽しみなことが待っていても今日を生きるのが辛いという感じになって無理になります。

不安

対象が明確に存在しないものに対して抱く不快な感情のことを指します。対象が明確である場合恐怖となります。
不安に伴う症状は以下の4つが主ですが、このあたりの諸症状はかなり個人差があるのではないかと思います。

イライラ

これはあまりありませんでしたが、たまにイライラすることはありました。僕自身あまり怒りっぽい性格ではない(というか基本的には怒らない)のでこの症状は軽めでした。
薬を飲むようになってからはまったくなくなりました。

集中力の低下

一方でこちらはかなり感じました。
具体的には、本が読めなくなりました。もちろん識字はできるし、単語の意味は分かるのですが、句全体としての意味が分からなかったり、前後の文脈を把握できなかったりしました。
ワーキングメモリが16byteくらいしかないくらいの感覚(?)です。執筆時点でその感覚がないので詳しくはよく分かりません。
薬を飲み始めてから2週間ほどかけて段々と回復していきました。

不眠

完全に目が冴えて一睡もできない、というほどではありませんでしたが、布団に入ってから入眠するまでに2時間くらいかかるなど異常に寝つきが悪い上に、途中で何度も起きてしまうなど、寝た感じがしない日々が続きました。
これがかなり精神的にも肉体的にもキツかったです。睡眠は大事だよー。
他の症状と比べて回復するのが遅く、薬を飲み始めてから1ヶ月ほどかけて段々と回復していきました。

疲労

後述しますが昏迷という症状が強かったため、疲労感を特別感じることはあまりありませんでした。
こちらは不眠が解消されていくと同時になくなっていた気がします。

昏迷

行動する意欲・意志がなくなった状態です。こうなると身体が動かないので、床と並行になるか、椅子と一体化しているしかありません。
でも頭はそれなりに動くので、ただぼっーとしていると思考がネガティブな方へぐるぐるしてしまってしんどくなります。
薬を飲み始めてから2週間くらいかけて良くなっていきました。

思考静止

動作や頭の回転がスローになる症状です。
具体的には水を飲もうと思って立ち上がるまでに5分くらいかかりました。自分としては頑張って全速力でやっているつもりなのですが、体も頭もついていかないという感じです。
この症状の特徴として、あまり自覚がなかった印象があります。特に僕は一人暮らしでしたし、大学に行ったり、人と会う時は強めの抗不安薬を飲んでいたのでこの症状が出ず、周りに指摘されることはありませんでした。実家に帰ってきてから親に指摘されて凄くしんどそうと思われていたらしいです。
これも薬を飲み始めてから2週間くらいかけて良くなっていきました。

微小妄想

自分をマイナス評価してしまう妄想です。これらは以下の3つの種類に区別されます。

心気妄想

自分は凄く悪い病気なんじゃないかと思う妄想です。
これはあまりなかった気がします。

貧困妄想

自分にはお金がないんじゃないかと思う妄想です。
大学生になってから可処分所得が一気に増えて今までの人生と比較すると常にお金持ち状態だったのでこれはありませんでした。

罪業妄想

自分には社会的価値がないんじゃないかと思う妄想です。
一人暮らしをしていた時には感じなかったのですが、実家に帰ってきてからは家事をほとんどしないことにものすごく罪悪感を感じていました。一人暮らしの時は当然家事を一人ですべてこなしていたので、家事をしなければならないという感覚が残っていたからだと思います。
これも薬を飲み始めてから2週間くらいでなくなっていきました。その環境になれたからというのもあると思います。

緊張病(症候群)

緊張状態によって様々な症状が出ます。多すぎて解説するのが面倒なので僕が体感した症状だけを紹介します。
僕は緊張病による精神症状はほとんどなく、身体症状が主でした。動悸、息切れ、吐き気、冷え性などです。
特に吐き気と動悸は常に感じていました。僕は結構緊張するタイプなので常に卒論の最終発表前みたいな感じでかなりしんどかったです。
これも薬を飲み始めてから2週間くらいでよくなっていきました。

他にも起きうる症状はいくらかありますが、僕自身がほとんど体感していないので割愛します。
自殺と思われる影響に巻き込まれて希死念慮が誘導されたりしましたがその程度です。

治療方法

薬物治療

症状を紹介している中でも出てきましたが、適応障害うつ病は薬物治療が主になります。
というのも、これらの病気は脳内の神経伝達物質の過不足で起こる脳病であるからです。薬でこれを調節してあげるといい感じに症状が緩和していきます。抗不安薬も同時に使われることが多いみたいです。 脳内の神経伝達物質を調節する薬としてプロチアデントリプタノール抗不安薬としてブロマゼパムロラゼパム などが使われるようです。
僕は薬学方面には詳しくないので作用機序などはよくわかっていません。ですが、どの薬も眠気や血圧低 下などの副作用が起こることがあるようです。僕はあまり感じたことがないです。

休学/休職

適応障害の場合は環境要因のストレスが大きい場合が多いので、いったんその環境から離れることによってストレスを受けないようにします。
僕は大学を休学して実家に帰りました。

睡眠

先ほどの項でも説明したように、適応障害うつ病の症状は脳の異常によるものです。
つまりは脳が限界なので、脳を休ませて回復させようということです。不眠症を併発しているとこれがなかなか難しかったりしますが、寝るときは1日12時間とか14時間とか寝ている日もありました。
睡眠は大事だよー。

病気の理解

自身が患っている病気について理解することで不安を取り除きます。心気妄想がある場合は特に効果が大きいのではないかと思います。
僕は元気になってきたら知識欲が湧いてきたので益田先生のYoutubeチャンネルを見まくったり、精神疾患にかかわる人が最初に読む本 を県立の図書館まで借りに行ったりしました。
個人的な感想ですが、精神疾患の中では統合失調症が一番怖いと思います。うつ病も繰り返すタイプは怖いです。僕は(おそらく)適応障害なのでまだ軽症だったのかもしれません。それでもしんどいことに変わりはないですが。

認知行動療法

結構有名なやつです。事象に対する認知の歪みを訂正し、行動を変化させることを目的とします。簡単に言うと、うつになりにくいように性格を変えます。そのため滅茶苦茶時間がかかります。
「人生とは自分を見つけることではなく、自分を創ることだ」というセリフがありますが、この治療法は自分を見つけるところからスタートします。
具体的には、自分が体験したことに対してどう感じたかをひらすら記録します。それを続けていると段々認知の歪みが分かってきます。
認知の歪みが分かってきたら、それを客観的に見て考えて、修正していきます。考え方を変える必要があるので結構時間がかかります。認知の歪みが修正されていくと行動も次第に変化していきます。
自分メンタル弱いかも……と思う人は日記感覚でこれをやっていくといいんじゃないでしょうか。

生活習慣の改善

うつの症状の中でも緊張病に関しては自律神経の関係が大きいです。交感神経が常に優位になっているために緊張病の症状が出るとされています。現代人、特にエンジニアなどはディスプレイと向き合っている時間が長くブルーライトによって交感神経が刺激されて交感神経優位になりがちです。
そのため、生活習慣を改善することによって、自律神経の働きを安定させると症状が緩和されます。朝日を浴びたり、散歩したりするといいらしいです。寒いので散歩はできていません。
僕の場合、寝る時間と起きる時間は大体固定するようにしています。
あと、起きたらコップ1杯のお湯を飲むと自律神経が刺激されて良いそうです。実際にやってみると、お湯を飲んだ後ちょっとお腹が空いてきたり身体が動き出してくる感じがあります。

マインドフルネス

瞑想です。呼吸に意識を集中させて、頭の中を空っぽにします。
結構難しいですが、不安なときにやると不安がけっこう解消されます。
集中力が強化されたり、疑似的な昼寝としても使えるのでオススメです。
腹式呼吸でやると副交感神経が刺激されるので交感神経優位になっている状態を多少改善できたりします。

回想

自分の人生を最初から覚えている限り思い出して言語化します。これは主に患者の現在の性格の裏に愛着障害やパーソナリティ障害がないかを洗いだすために行われると思われます。(詳細はよくわかりません)
たとえば、言語化できない、あるいは人に言うことができない部分が多い場合は回避性パーソナリティ障害を持ち合わせている可能性が考えられます。

カウンセリング

医者やカウンセラーが患者の心の状態を把握して、アドバイスなどをもらいます。
僕は一回しかやってもらったことがないのでよくわかりません。

人と話す

主に神経伝達物質の影響でめちゃくちゃ効果があります。人と話すことによって必要な神経伝達物質の多くが分泌されるのでメンタルが安定します。ぼっちはつらいです。

療養生活

僕の場合、最初の頃は昏迷がひどかったので身体が全然動きませんでした。
でも頭はそれなりに動くので、ただぼっーとしていると思考がネガティブな方へぐるぐるしてしまってしんどくなります。
そんなとき、どうするか。そう、アニメです。dアニメストア、ありがとう……。
というわけで、ここからは僕が療養生活中に観ていたアニメを紹介していきます。

療養中に観ていたアニメ

主人公が努力で成り上がっていくサクセスストーリーはドロップアウトした人間には厳しすぎるので日常系アニメを選んで観ていました。
ありがとう、まんがタイムきらら……。

一気見

ヤマノススメ

全クール一気見です。ちょうどそのクールにやっていたNext summit最新話まで追いつきました。
元々登山にちょっと興味があったので、そのあたりの知識も仕入れられてよかったです。
そのうちリアルで山登りたいぜ。

スローループ

釣りアニメです。僕は餌釣りしかしたことないので、フライはちょっと新鮮でした。ちょっとやってみたさがあります。
久々に釣りしたいけど、僕が好きな釣りはダラダラ喋りながらする釣りなので、一人で行ってもなぁという感じです。お仲間を募集しています。

恋する小惑星

地学アニメです。前から観ようと思っていたやつがようやく観れました。JAXAなつかし~。
山関連で地質学とか気象学とかも気になっていたのでそのへんもかじれてよかったです。
天文学は星座の逸話とかシリウスA,Bとかを創作のネタに使ったりするくらいでよくわからなかったので新鮮でした。
二期やって欲しいな……。

ゆるキャン△

漫画全巻持ってるけど映像化されるなら観たいやん?というノリで観ていました。やっぱゆるキャン△はゆるくて良いな。
ちなみに劇場版はまだ観られていません。後でアマプラで観ます。

前から観たかったけど実はちゃんと観てなかったので観ました。阿知賀編も一気見です。全国編はまだ。
かじゅももと怜竜が推しカプです。咲は能力麻雀百合アニメ。
咲を観ていたら麻雀打ちたくなってきたので集中力が戻ってきてからは麻雀漬けになっています。
久しぶりにオフで打ちたいな。メンバー募集中です。

クール放送枠

そのクールは豊作だったので色々観ていました。

ぼっち・ざ・ろっく

最強。個人的今季覇権。ぼざろの曲を聴くためだけにprime music unlimitedに入り直しました。
『ギターと孤独と蒼い星』のLIVEパートで最高になってからの『あのバンド』のLIVEパートで完全に惚れました。
押し入れの中でギターヒーローを名乗っていた少女が本当にギター一本でヒーローになる展開激アツすぎ。君は猫背のまま虎になったよ、後藤……。
どうか2期を製作してくれ、頼む。

4人はそれぞれウソをつく

NACHERRY(村上奈津美と田中ちえ美のユニット)がOP歌ってるから観るか……と思って観始めたらふつうにギャグとして好きな感じで楽しく見ていました。

うちの師匠はしっぽがない

漫画を最初の方だけ読んでて面白そうだったので観始めました。
アニメ版は落語パートが長めにあってよかったです。最後の解説も助かりました。

新米錬金術師の店舗経営

あぐぽんがOP歌っているからというだけの理由で観始めたのですが普通に面白くて観てました。
この店だいたい赤字になってません?

機動戦士ガンダム 水星の魔女

実は初めて観るガンダム。最初はスレミオに期待していただけだったけど普通に面白いです。グエル君……。

アークナイツ

もともと気になっていたので観始めました。
現実の優しさと理不尽さを突き付けられてつらかったです。特にスカルシュレッダーまわりの話は理不尽と言う他ない厳しさがありました。救いたかったし、救われたかっただけなのにな……。
世界観はめちゃくちゃ好きなので続いて欲しいアニメです。

ある程度元気になってからは、自分の病気に関する勉強をしたり、合同誌に投稿する原稿を書いたり、母校の部活内の企画で発表するためのスライドを書いたり、麻雀をしたり、こうして記事を書いたりしています。
1ヶ月近くコードを書いていないのでそろそろコーディング復帰したいところです。自作スマートリモコンのUIが死んでいるのでまずはそこを書こうかなと思います。2時間くらいあればできそうなので気が向いたら。

さいごに

僕は将来のことがある程度決まっていたので、将来に対する不安をあまり強く感じずに療養できたのが良かったのかなと思います。本当にコネに感謝……。
大分良くなってきた感じはしますが、まだまだ薬に頼っているので先は長そうです。治療の性質上、どうしても時間がかかるので仕方ないかなと思います。若さ故にどうしても焦りが出てくるのですが、どうしようもないので気長にやっていくしかないですね。
エンジニア病みがちみたいな話を後輩もしてたんですけど、生活習慣が乱れがちなために自律神経も乱れがちになって最終的にメンタルにダメージがいく、みたいなパターンも結構あるんじゃないかなぁと思います。
ちゃんと寝ましょう。